「週刊文春」編集部 2023/12/10
《1000億円契約を発表》大谷翔平が人生設計ノートに書いた「結婚」の2文字「焦りはないですよ。そんなことを言うと、アラフォーの女子みたいな感じですけど」
アラフォー "around forty"
6シーズン在籍したエンゼルスから、同じロサンゼルスを拠点とするドジャースへの移籍を発表した大谷翔平(29)。
契約総額はメジャーリーグ史上最高額の7億ドル(約1000億円)、アメリカ中が大谷の移籍先が決まるのを固唾をのんで見守ってきたが、周囲の予想を上回る大型契約が結ばれた。
その大谷が語っていた「結婚」についての人生設計とは……。常人のはかりを超える判断基準で周囲を驚かせてきた大谷の実像に迫るため,「週刊文春」に掲載された記事を特別に公開します。(初出:「週刊文春」2023年11月23日号)
メジャーFA史上最大の争奪戦が繰り広げられ、その去就(きょしゅう)に注目が集まる大谷翔平(29)。
今シーズンは、メジャー史上初の2年連続「2桁(にけた)勝利、2桁ホームラン」を達成、さらにアジア人初の本塁打王を獲得するなど、二刀流が大爆発した年だった。
ところが――。米国で密着取材を続け、『大谷翔平語録』(宝島社)の著書もあるスポーツライターの斎藤庸裕氏は、「これまでで1番、悔しさの残る1年だったのでは」と振り返るのだ。
- 大谷翔平
3月22日のWBC決勝戦。エンゼルスの同僚のマイク・トラウトから三振を奪った瞬間、興奮のあまり、グローブと帽子を投げた大谷の姿は、野球ファンの目に焼き付いている。
「あんなにも感情を露にした大谷選手を見たのは初めてです。その後、ほぼ休みなくシーズンに入ったため、切り替えができるのかと思いましたが、蓋を開けてみたら、投打ともに好調で、6月にはホームランを量産。自身最高の成績を記録した」(斎藤氏、以下同)
大谷の活躍に応えるかのようにチームも好調を維持。FA前、最後となる今季こそ、プレーオフへの期待が高まったが……。
「8月から、指などの痙攣を訴えて途中交代が続いた。故障者が相次いだチーム状況をみて、限界まで戦った大谷選手でしたが、さすがに疲労がピークに達したのでしょう。右肘を再び故障し、シーズン半ばでその後の試合を欠場。エンゼルスもプレーオフを逃した。夏のトレードで補強を進め、望みがあっただけに、落胆は大きかったのでは」
「ビーチには行きましたか?」「ずっと寝ていた」
大谷が2度目のじん帯再建術を受けたのは9月19日のことだった。
「失敗も経験と捉え、常に前向きな大谷選手ですが、メジャー1年目に『怪我は無駄な時間』とはっきりと語っています。怪我で試合に出られなければ、失敗する機会すら失われ、成長のきっかけを逃してしまう。過去に経験した故障によりその認識を強くした大谷選手は、二刀流に耐えうる体を作るため、徹底的な体調管理に取り組んでいます」
大谷と言えば、野球以外の大切な時間として「睡眠時間」をあげ、とにかくよく眠ることで知られている。
「いつどれくらい寝るかの準備を数日前から行う『計画入眠』を取り入れるほど、睡眠を重要視しています。去年7月、敵地でのマーリンズ戦の前日は独立記念日で、マイアミビーチは花火などで賑わっていたので、『ビーチには行きましたか?』と尋ねましたが、大谷選手は『ずっと寝ていた』と(笑)。体のメンテナンスが最優先ということなのでしょう」