近年見直されている定置網漁とは?魚を獲る仕組みから、環境に優しい理由まで解説

2023年4月15日

  1. 定置網漁(ていちあみりょう)とは

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定置網漁とは、海中の定まった場所に網を設置し、魚を獲る漁のことをいいます。

大半は、陸から2~5kmほど離れた場所に設置されます。

日本の漁業法では、水深27m以上の海域に設置されるものを定置網と定義しています。

近年では漁具の改良が進み、水深100m以上のところに設置される定置網もあります。

定置網の分類

定置網は、漁具の構造上から6種類に分類されています。

このうち、技術的にもっとも進歩した定置網とされるのが「落網類」で、現在の定置網のスタンダードとなっています。

3部または4部構造からなる網で、漏斗状の通路を備えたところが大きな特徴です。

サケ・マス、ブリ、マグロ、イワシ、アジ、サバなど一般的に「浮魚」と呼ばれる、海底から離れたところを泳ぐ魚を獲るのに適しています。

「浮魚」に対して、カレイ、エビ、カニなど海底に生息する魚介類を「底魚」と呼びますが、こちらは定置網での漁獲は難しいです。

当記事では、この「落網類」を使った定置網漁について話を進めます。

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定置網漁は、沿岸を回遊する魚を遮る「垣網(かきあみ)」と、それに誘導された魚が入る「身網(袋網)」を設置して行います。

垣網は長いもので800m以上もありますが、網の大部分は海中にあるため、通常は海面に浮かぶブイしか見ることはできません。

潮の流れに沿って泳いできた魚は、直線に伸びた垣網(障害物)を避けるため、沖に向かって進路を変更します。

そうすることで、身網の中へと誘い込むのです。

入口から入るとまず、魚は「運動場」に導かれます。

運動場は非常に広いため、魚はその中を自由に泳ぎ回ります。

また、網の入口は常に開いているので、中には入ってきたところから再び出ていく魚もいます。

運動場を泳ぎ回る魚のうち、一部が網のより奥にある袋網へと向かいます。

運動場から袋網へと続く通路(登網)は先端が細くなっており、その構造上、一度袋網に入った魚は外へ出て行きにくくなります。

こうして袋網に溜まった魚だけを獲るのが定置網漁の仕組みです。

2.定置網の分類 3.定置網で魚を獲る仕組み 4. 定置網の構造、各部名称 5. 定置網漁のタイムスケジュール 6. 定置網漁は環境に優しい!