2024年2月7日 5時00分
山ラーは山形ラーメン
山形の方言で「やんばい」は「ちょうどいい塩梅(あんばい)」であることを示すのだそうだ。よく耳にするのは「やんばいでいいんねが?」。意訳すれば、まあ、あんまり無理しないで、ほどほどに頑張ればいいよ、といった感じか。癒やしに満ちた、やさしい言葉である▼そんな肩の力が抜けるような表現を好む人々に、こよなく愛されるのが、山形ラーメン、略して山ラーだそうだ。きのう、総務省が発表した全国の家計調査によると、世帯当たりのラーメン支出額で、山形市は前年に続き、日本一だった▼「ラーメン愛が強いんですよ。だから、みんないっぱい食べる」。地元ラーメン店でつくる団体の会長、鈴木敏彦(すずき としひこ)さん(47)はうれしそうだ。「出前文化があるし、小さい頃から身近なんです」▼ラーメンと言えば、博多や札幌を思い浮かべる人も多いだろう。でも、土地の人がどれだけ食べるかなら、山形こそが「聖地」だというのだ。新潟に首位を奪われたこともあったが、地元一丸で闘志(とうし)を燃やし、すぐに雪辱(せつじょく)を果たしたとか。熾烈(しれつ)なランキング競争の世界らしい▼ちなみに、家計調査の別の項目を見ると、ギョーザの1位は宇都宮ではなく、浜松だった。納豆も水戸ではなく、盛岡がトップだ。イメージだけで言うと、ちょっと違うのかもしれない▼まあ、日本一であろうが、なかろうが、やんばいでいいんねが。夏に涼しい冷やしラーメン、和風だしの鳥中華(とりちゅうか)、辛みそピリリのラーメン。山ラーの味の「やんばい」に舌を鳴らす。
こよなく 3 (副)〔形容詞「こよなし」の連用形から〕 他と比べものにならないほど程度がはなはだしいさま。この上なく。比類なく。よい意味に用いる。文語的な言い方。「私が―愛した女性」「―晴れた青空」
でまえ ―まへ 0【出前】 (名)スル 飲食物を,注文した人の家に届けること。また,届ける料理や人。
- 鳥中華(とりちゅうか)
- 鳥中華は、山形県発祥の麺料理である。"蕎麦店から生まれたラーメン"として親しまれている。蕎麦のつゆに使われる和風だしのスープにラーメンの中華麺を入れ、鶏肉、天かす、海苔などをトッピングした料理である。山形県内の蕎麦屋などで提供されている。