香港だけの問題か 2023年4月24日
この春、香港出身のひとりの男性が、東京大学の大学院で新たな研究生活を始めた。葉錦龍(サム・イップ、 1987年8月24日〜、35)さん。民主活動家であり、民主派の元区議会議員でもある。言論統制の強まる香港を逃れて(のがれて)の来日だ▼「ホッとしています。早朝の警察のノックに怯える(おびえる)必要がなくなったのですから」。アニメで覚えたという流暢(りゅうちょう)な日本語でサムさんは語る。「ただ、もう帰れないかもしれない。そう考えると苦しい」。矛盾した心境だという▼空気のごとく当たり前だった香港社会の自由はこの数年、急速に失われた。多くの人々が言葉を奪われ、沈黙を強いられている。サムさんのように海外に出る人は後を絶たない。一方、当局はそうした在外の香港人にも監視の目を強め始めている▼日本に留学していた香港の女子学生が帰郷(き‐きょう)の際、逮捕されたことが先日、明らかになった。日本でSNSに投稿した内容が問題視されたというから驚く。世界のどこで発信されようとも、気に入らない言論は香港の法律で罪に問うということか▼これでは香港人に限らず、香港と行き来する日本人らの言動も自粛させる可能性がある。ひょっとすると香港政府や後ろにいる中国政府の狙いは、そこにあるのかもしれない▼「でも、ひそかに抗い(あらがい)続けている人はいます」。力を込めて語るサムさんの言葉にうなずきつつ、自問する。これはそもそも香港の問題なのだろうか。脅かされているのは、私たちすべての人の自由なのではないだろうか、と。
「逃げる」と「逃れる」は、表記が似ているため混同されることがありますが、異なる意味を持ちます。
「逃げる」は、危険や困難から逃げ出すことを意味します。例えば、「危険が迫っているので、彼女は逃げるように走り出した」というように使います。
一方、「逃れる」は、危険や困難から身を守るために、それを回避することを意味します。「逃げる」が危険を回避することに焦点があるのに対して、「逃れる」は、回避された結果が重視されます。例えば、「台風が来たので、彼女は建物に避難して危険を逃れた」というように使います。
つまり、「逃げる」と「逃れる」は、危険や困難に対する対処方法が異なるため、意味も異なります。
東京大学大学院総合文化研究科修士課程学生。司会、ステージ通訳、イベント制作マネージャー、アニメ関連日中通訳。ネットラジオパーソナリティ。 元民間人権陣線副召集人(2020/10-2021/3)、元香港中西区区議員(2020-2021/7/7)
はい、東京にいます。今年の春から東大大学院生になります。勉強も香港議題のアドボカシも頑張ります。香港にいる香港人の分まで頑張りますので、日本にいる皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
日本に留学中の香港人の女子学生(20代)が3月上旬、身分証更新のために帰郷した際、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕されていたことがわかった。学生側から相談を受けた台湾や日本の関係者が明らかにした。香港警察は学生に、同法が禁じる「国家の分裂を扇動」する行為に関わった疑いがあると説明しているという。
現在は釈放されて自宅にいるが、パスポートを押収されて日本に戻れない状態にある。5月以降に処分が決まる見込みという。